木樫蓮

木樫技研の所長です.

鈴鹿サーキットの RX0

先日 BS で放送されていたスーパーフォーミュラ第 1 戦を眺めていたときのこと.鈴鹿サーキットからの中継だったのだが,コースサイドの固定カメラの映像に切り替わると画面の左下隅に「SONY RX0」と出る.

 

モータースポーツでは高速で疾走する車の迫力を伝えようと,人が立ち入ることが危険なコースサイドに小型のカメラを設置することが多い.かつては小型のカメラヘッドとボディが有線で繋がった業務用カメラが用いられていた.その頃から民生機器では現在のアクションカメラのような小型カメラは存在したのだが,画質などが明らかに業務機よりも劣るため中継に用いることはできなかった.それが最近では民生機器(RX0 については複数台を同時にワイヤレスで制御できるなど民生機器と呼ぶべきか議論のあるところだが)でも性能が向上し,放送素材として用いることができるようになってきた.

 

同等のサイズのカメラには GoPro などアクションカメラとしてよく知られているものもあるが,これらに搭載されているレンズは焦点距離がかなり短く,広角レンズ特有の歪んだ映像になる.これはアウトドアスポーツなど,どこでどんなイベントが発生するか予測が難しく,なおかつ撮り逃がすと二度と撮れない状況で撮影することを想定して設計された結果である.これに対して RX0 は 35mm フルサイズ換算で 24mm と広角ではあるものの歪みを感じさせないレンズ設計が可能な画角に設定されている.このことも RX0 をコースサイドカメラに選ぶ理由のひとつになっているのだろう.

 

--KGR